札幌の大通駅の心療内科・精神科

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適応障害

適応障害

適応障害とは

適応障害とは、様々な要因から生じるストレスから苦痛を感じることで、精神的・身体的な症状を引き起こすストレス障害の一つです。適応障害を引き起こすストレスの種類は、転職や転勤などの環境変化によるストレスや、妊娠・出産などのライフステージの変化によるストレス、人間関係によるストレス、災害などによるストレスなど多岐に渡ります。
適応障害は生活や環境の移り変わりがあれば、どんなに些細な出来事でもきっかけとして起こりうる病気です。その人にとって重大な変化であると感じるほど、日常生活が送れないほどのうつ症状が生じたり、大きな不安によってパニック発作を引き起こしたりする恐れもあります。

適応障害は甘えではなく、PTSDや急性ストレス障害に並ぶ病気

適応障害は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や急性ストレス障害(ASD)に並ぶストレス障害と呼ばれる病気です。ストレス障害とは、日常生活で生じる様々なストレスに対して適応できずに、心や身体の不調として症状が現れる精神疾患のこと。人間の周りには沢山のストレスがあり、暑さ・寒さや天気などの環境条件、仕事やプライベートの人間関係など、幅広く存在しています。そのように多種多様なストレスに対して、心が耐えきれなくなってしまうことで、精神疾患として病気を発症してしまうのです。

このとき、ストレス障害の種類には、次のような違いがあります。

適応障害

概要 日常生活における大きな変化やストレスに対して適応できない。
症状 過度な不安・緊張、抑うつ、暴飲暴食、過度な飲酒、自信過剰など

急性ストレス障害

概要 事故や災害、DVといった暴力行為などによる急性の反応が生じる。
症状 解離症状(特定の期間やタイミングの記憶をなくす)、再体験(無意識に発症要因となった出来事を思い出して強い不安や恐怖を感じること)、回避(トラウマを思い出し得るものを執拗に避けること)、過覚醒(些細なことに過剰な反応を示したり、不眠やイライラが生じる状態のこと)など

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

概要 戦争体験や性的暴行、自然災害、事故などの人災など、強烈なストレス事象に対して長期的に適応できない状態が続く。
症状 フラッシュバック、悪夢、過覚醒(些細なことに過剰な反応を示したり、不眠やイライラが生じる状態のこと)、回避(トラウマを思い出し得るものを執拗に避けること)、否定感情など

このように、いずれもストレスが原因となって発症する一方、出来事の規模感や症状の持続期間などに違いがあります。

適応障害とうつ病の違い

適応障害とうつ病には、原因や症状の持続期間、診断基準に違いがあります。

適応障害

原因 ストレスフルな状況やイベントに直面した際の適応能力の不足から発症
症状の持続期間 ストレスの引き金となるきっかけから時間が経過したり、距離を置いたりすると、症状が改善していく
診断基準 ストレスフルな状況に直面した際の適応能力の不足に焦点を当て、
その症状を診断

うつ病

原因 神経伝達物質の不均衡や遺伝的要因など複数の要因によって引き起こされる
症状の持続期間 原因から距離を置いたり、時間が経過しても、症状が継続して日常生活に大きな影響を与える
診断基準 気分の低下や興味喪失などの症状によって診断

適応障害になりやすい人の特徴・原因

適応障害は身を置いている環境が影響しやすい精神疾患です。発症を予防するためにも、適応障害になりやすい人が身を置く環境や性質について知っておくことも大切だと言えます。

なりやすい人の特徴・原因1.
【内部要因】真面目で几帳面、自分に厳しい性格など

内部要因とは、自己肯定能力や人とのコミュニケーションなどに関して、性格的気質から生じる要因のこと。適応障害になりやすい人には、内部要因として「真面目で几帳面」「自分に厳しい性格」といった性格的特徴があります。そのような性格から、自分を責めすぎたり、自分を過小評価したりすると、ストレスへの耐性を低下させる要因となります。
このように、適応障害になりやすい性格を持つ人は、自分に対して寛容な考え方を身につけることで、適応障害の予防につながります。

なりやすい人の特徴・原因2.
【外部要因】仕事や生活面でのストレスが重なっている

適応障害になりやすい人は、仕事や生活面などの外部要因によるストレスが重なる環境に身を置いている場合が多い傾向にあります。具体的には、次のようなストレス環境があげられます。

仕事のストレス

具体例
昇進や異動など、新しい役割や責任が増えた、職場での人間関係が上手くいかない、上司や同僚と対立している、業務量が一気に増えたことによる過労がある、タスクの締め切りへの過度なストレスがある、会社体制の変革によりリストラや将来に対する強い不安がある、新規の部署において自分に対して過度な期待をされていると感じる

生活のストレス

具体例
親しい人物(家族や友達)との関係性の悪化・死別、病気の発症などによる健康問題の変化、人災や自然災害による衝撃的な出来事、金銭にまつわる問題や貧困による苦労

このように、適応障害になりやすくなる要因としては、生まれ持った性格といった先天的なものから、身を置く環境などの後天的なものまであります。無意識のうちに幅広い小さなストレスを抱えながら、複雑に組み合わさることで、適応障害を発症する状況を作り出してしまう恐れがあるのです。

適応障害の症状

適応障害の症状には大きく分けて「精神症状」「身体症状」の2種類があります。次に、症状を分けて説明します。

適応障害の精神症状:落ち込む、強い不安感、集中力の欠如

適応障害の精神症状には、次のようなものがあります。

・抑うつ症状:気分がずっと沈んでいたり、希望が持てないような気がする状態
・不安症状:様々なことに神経質になり、強い不安や心配を感じる
・焦燥感:過剰な緊張や焦りが生じる
・感情のコントロールができない:急に涙が止まらなくなるなど、精神的な制御が取れなくなる

このように適応障害では、重症化するほど自分の精神状態を制御できなくなります。最終的には日常的にも影響を及ぼし、通常の習慣でさえも困難になってしまうのです。

適応障害の身体症状:不眠・過眠、食欲減衰、動悸、めまい、異常行動

適応障害の身体症状には、次のようなものがあります。

・身体の痛み:頭痛や腰痛、背中の痛みなど、ストレスによって身体の痛みを感じるようになる
・倦怠感:身体が重くなりアクティブな行動が困難になる
・風邪症状:鼻水や咳、喉の痛みなど、風邪のような症状が現れる

このように、一見風邪のような症状が生じるため、初めのうちは適応障害の発症に気づかれないケースもあります。

適応障害の治療法

適応障害の症状が軽度の間は、ストレス源を特定して距離を置くことで改善されます。一方、重症化してしまった場合には薬物療法やカウンセリングなど、症状や状態に合わせた治療計画を練ることが大切です。

札幌大通こころのクリニックでは、「副作用のない安全な治療がしたい…。」などの患者さんのご希望に合わせた治療法がご提案できるよう、様々な適応障害の治療法を取り入れております。

最初に、適切な休養が最も大切です

適応障害を治すためには、前提として適切な休養がとても大切です。適応障害の発症の元となったストレス源から距離を置き、十分な休息を確保することで、心と身体をリフレッシュさせながらストレスへの耐性を強化することができます。ストレス耐性を改善できれば、適応障害の症状を改善しながら再発防止も期待できるのです。

治療法1. 薬物治療

適応障害の薬物治療では、うつ症状や不眠症状の改善を目的として行われます。治療薬には強い副作用のあるものも存在し、症状や状態に合わせた処方が重要です。適応障害の治療薬には、次のようなものがあります。

抗不安薬

効果 過度な不安や緊張感を和らげる働き
具体例 ベンソジアゼピン系、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)

抗うつ薬

効果 抑うつ症状を改善させる働き
具体例 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)

睡眠薬

効果 不眠症上などの睡眠障害を改善させる働き
具体例 ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

適応障害で現れる症状は人によって様々だからこそ、心療内科・精神科の専門医の指導のもと症状や状態を見極めて適切に治療薬を処方される必要があるのです。治療計画を立てる際には、薬物治療とその他の治療法を併用することで、適応障害の症状改善における相乗効果が期待できます。

治療法2. 精神療法

札幌大通こころのクリニックにおける適応障害の精神療法は、公認心理師や臨床心理士などの心のプロフェッショナルによるカウンセリングを通して実施されます。次に詳しく説明します。

公認心理師・臨床心理士によるカウンセリング|認知行動療法

適応障害治療としての認知行動療法は、人々の思考や行動が感情や心理的な問題にどのように関連しているかを把握し、適応障害につながる考え方の癖を改善する治療法です。

適応障害に困っている人は、否定的な思考や行動パターンを持ちがちです。例えば、自己否定的な考え方、無力感、希望の喪失などの癖をポジティブな捉え方に変えていくことで、抑うつ症状のきっかけとなる後ろ向きな思考の連鎖から抜け出すことを目指します。自分の考え方を変えるには、まず自分を理解し受け入れることが大切です。「今ここにある自分」を意識して現実を受け入れながら、感情に左右されない心を養うマインドフルネスの考え方を取り入れることで、適応障害の再発を防ぐのに効果的です。

札幌大通こころのクリニックで実施する認知行動療法は、公認心理師や臨床心理士といった専門家によるカウンセリングを通して実施します。ご希望の方は、来院時にスタッフへお声がけください。

適応障害セルフチェック

  • 慢性的な緊張感や不安感がある
  • 食欲不振があったり、食事を楽しめない
  • 近頃、体重の増減が著しい
  • ずっと落ち込んでいる
  • 寝付けなかったり、2時間以上早く目覚めたりなどの不眠症状がある
  • 急に涙が出て止まらないことがある
  • 自信がなくなってきた
  • 立ちくらみやめまい、動悸にがある
このリストはあくまで参考情報であり、正式な診断や治療は医師に相談する必要があります。

これらの症状が2つ以上当てはまり、2週間以上毎日のように続いていたり、日常生活に支障があったりする場合には、適応障害の可能性があります。適応障害かもしれないと感じた際には、早期発見・治療のためにも迅速に医療機関へ相談することをおすすめします。

医療機関を受診することで、適応障害の診断が正式に確定します。精神疾患の診断に対して不安やマイナスな印象を受ける方もいますが、病院で適応障害の診断を受けることにはしっかりとしたメリットがあります。

病院で適応障害の診断を受けるメリット

医療機関で適応障害の診断を受けた場合、適切な治療計画を練ることで早期改善が期待できると共に、健康状態に合わせた行政や地方自治体などの公的機関によるサポートを受けられる場合があります。例えば、病院へ行かず自己判断で仕事を休み始めてしまった場合、休業手当や病床手当を申請しても診断を受けた日からしか支給されず、休んだ日数分の満額を受け取ることはできません。

また、適応障害の診断書を用いて精神障害者保健福祉手帳を発行すると、就労支援や医療費控除を受けられます。

このように病院で適応障害の診断を受けることで、様々な行政的サポートを受けられるようになります。

適応障害のサポート支援

札幌大通こころのクリニックでは、適応障害のサポート支援として社会復帰の先駆けとして有効なリワークへの紹介状や、行政のサポートを受けるために有効な診断書の発行を実施しております。このような、適応障害に対するサポート支援についての詳細をご紹介します。

サポート1. 職場復帰・就労支援

適応障害治療の終わりがけでも、病気発症時のトラウマから復職ができなかったり、就職活動が困難であったりする患者さんは多くいらっしゃいます。そのような「職場復帰を目指したい方」を対象として、リワークや就労支援施設などへのご紹介も可能です。無理せず少しずつでも社会に戻る努力をしたいあなたに合わせた施設を見つけられるようにサポートします。

サポート2. 休職や復職に必要な診断書を最短で即日発行!すぐに受け取れるので安心

札幌大通こころのクリニックでは、「限界で早急に休職がしたい…。」「適応障害を治して早く職場に復帰したい…。」と考える可能な限り多くの患者さんを助けたいとの思いから、休職・復職に必要な診断書を最短で即日発行ですぐにもらえるように努めております。精神科・心療内科には、当日や翌日などの予約を受け付けていなかったり、初診を受け入れていなかったりするクリニックが数多く存在します。

今すぐに助けが必要にも関わらず、病院に受け入れてもらえない患者さんを出来るだけ減らせるように、当院の医師の診察では、迅速で適切な診断を心掛けております。

患者さんのこころの拠り所となるような治療を実施するべく、心の専門家である公認心理師・臨床心理士によるカウンセリングを実施しております。詳細については、ご来院時にお問い合わせください。

サポート3. 休業・傷病手当や精神障害者保健福祉手帳などの申請もサポート

適応障害治療で休職する場合には、暮らしの費用について悩んでいる方がたくさんいます。そのような状況に利用したい行政の制度として、休業手当や傷病手当、精神障害者福祉手帳を発行することで受けられる支援などがあげられます。休業手当とは、会社の都合で労働者が休業する場合(使用者の責に帰すべき事由)に平均賃金の60%以上が支給される制度のこと。一方、傷病手当とは、業務外の病気やケガで療養中のため働けず、給与が支給されない場合に休業4日目から標準報酬日額の3分の2が最大1年6ヶ月まで支払われる制度のことです。働けない状況でも暮らしの費用に困らないように利用可能な制度だと言えます。

また、適応障害により社会生活を健康に送れない状態となった場合は、精神障害者保健福祉手帳(精神障害者手帳)が発行できます。精神障害者が自立した生活を送るための支援を受けやすくすることを目的として発行されるもので、公共料金などの「経済的支援」や生活保護や就労支援を受けられる「福祉サービス」、医療費の自己負担額を減らせる「医療費の助成」といった支援を受けられるメリットがあります。

このような支援制度の申請をするには、病院の診断や通院が必須です。必要書類などはご自身でご用意いただき、精神科・心療内科で対応可能な診断書の発行作業などを迅速にサポートいたします。申請について、詳細については各自治体にお問い合わせください。

適応障害でよくある質問

適応障害はその人の甘えや怠け癖が原因ですか?
適応障害は個人の怠け癖や甘え、適応能力とは無関係です。
この障害は環境の変化が引き起こすストレスや、個人の特性と状況の組み合わせによって生じます。
症状は、関連するストレス源から距離を置くと改善する傾向がありますが、趣味や私生活で活動的であると、しばしば怠けているや甘えていると誤解されがちです。
適応障害の人との接し方で注意すべきことや、かけてはいけない言葉はありますか?
適応障害の人と接する際、心配を過剰に示さないこと、症状を理解して受け入れること、無理な行動を強いないことが重要です。
また、使用を避けるべき言葉として「甘えている」といったレッテルや「気持ちの問題だ」とする見解、「他の人はもっと大変なのに頑張っている」など、過度な努力を促す言葉や未来に対する不安を掻き立てる表現が挙げられます。
適応障害の治療方法にはどのようなものがありますか?
適応障害の治療には、原因となるストレス源から距離を置き、適切な休養と生活習慣の見直しが必要です。
札幌大通こころのクリニックでは、患者さんの状態やご要望に合わせた多様な治療法を提供しています。詳しくは、ご予約の上、ご来院時にご相談ください。
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一人で心に抱え込まず、気軽に相談してみませんか?あなたのご来院を心よりお待ちしております。

20歳未満の方へ
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当院では、18歳未満の方は治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。
(同意書もしくは保護者の同伴がない場合、予約をいただいても診察をお受けいただけませんのでご注意ください。)
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